
著作権とは
著作権とは、「他人に無断で作品(著作物)を利用されない権利」のことです。ここでいう「作品(著作物)」、つまり著作権の対象は、もともとは、小説、絵画または音楽といった精神的・文化的所産でした。しかし、現在では、プログラムやデーターベースのような精神的・文化的所産なのかどうか争いのあったものまで、対象に含まれるようになっています。
「著作権」という言葉
一般的に「著作権」といわれているものは、正確にいうと「著作者の権利」と、「実演家等の権利」に分けられます。「著作者の権利」は、著作者の人格的利益(作品に対する思い入れ)に対する権利(人格権)と、財産的利益(お金儲け)に対する権利(財産権)とに分けられます。前者を「著作者人格権」、後者を狭い意味での「著作権」といいます。
また、「実演家等の権利」も、実演家の人格的利益に対する権利(人格権)と、実演家・レコード製作者・放送事業者等の財産的利益(お金儲け)に対する権利(財産権)とに分けられます。そして、後者のことは「著作隣接権」といいます。
これらを表にすると以下のようになります。
著作権(広い意味) | 著作者の権利 | 著作者人格権 |
(財産権としての)著作権(狭い意味) | ||
実演家等の権利 | 実演家人格権 | |
(財産権としての)著作隣接権 |
著作権制度の沿革
著作権の歴史は15世紀中頃のグーテンベルクによる活版印刷の発明から始まるといわれています。 著作権は英語では「Copyright」、つまり「コピーする権利」と表記されますが、これは、当初の著作権とはまさに印刷機によって作品を複製する権利のことだったからです。その後、西欧諸国では18世紀から19世紀にかけて著作権の立法が進められ、次いで19世紀後半になると、フランスをはじめヨーロッパ各国で2国間での著作権に関する条約が制定されるようになりました。
一方、我が国における著作権制度のはじまりは、明治2年(1869年)の出版条例といわれています。そして、明治32年(1899年)、著作権に関する最初の国際条約であるベルヌ条約に日本も加入し、これを受けて同年に我が国にも著作権法が制定されました。昭和45年には全面改正がなされ、その後も頻繁な法改正が行われつつ現在に至っています。