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著作権と「無方式主義」

 著作権は、創作されたときに著作権として成立します。
 他に、いかなる手続や申請も必要ではありません。
 これを、「無方式主義」といいます。
 
 わが国の著作権は、ベルヌ条約のもとに、「著作者の権利としての著作人格権および著作権の享有には、いかなる方式も履行も要しない」と明示的に規定しています。
 ですから、著作物を創作した時点で自動的に発生し、登録や納本などの何らかの手続を売ることなく権利を取得することができるようになっています。
 
 

著作権の登録制度

 一方、著作権法には、「著作権の登録制度」といものがあります。
「無方式主義」としていかなる手続も必要なく著作権が発生するのであれば、なぜ著作権に登録制度があるのでしょうか。

 この点、著作権法に規定されている登録制度は、著作権の発生や保護の為ではなく、取引の安全を確保するための第三者対抗要件として、設けられています。
 つまり、これは著作権関係の法律事実を公示するための登録であり、そのために、実名の登録他、各種の登録が設けれられているのです。
 登録によって、著作権の二重譲渡、出版権の二重設定等について、先に著作権の登録を備えた者が優先します。
 不動産の物権変動においての登記と同じ趣旨の規定であり、登録は第三者対抗要件であるが権利発生の要件ではありません。