著作権の登録制度

 いわゆる「著作権」は、著作物の創作によって、創作と同時に自動的に発生するものです。
 ですから「著作権」自体が発生・存在するためには、何ら登録や申請の手続が必要となるものではありません。

 では、著作権の登録制度というのは、なんのためにあり、どういうものなのでしょう。

 著作権の登録制度は、「著作権」について発生した事実関係を「公示」したり、著作権者であることの「推定」を受けたりするために存在しています。
 著作権者は、この著作権の登録制度を利用することによって、著作権や著作隣接権を移転した場合に、その関係を契約外の第三者に対抗したり、著作物の第一発行日の推定を受けたりすることができます。

著作権登録の流れ

 登録申請の手続きの流れは、おおまかに以下のようになります。
 一般的な著作物は文化庁へ、プログラムの著作物はソフトウェア情報センターへ行います。

[登録手続の流れ]

申請者
文化庁/ソフトウェア情報センターへ申請
申請書およびその他の添付書類の審査
登録
(登録原簿作成)
却下
(書面による却下)

登録制度の一覧表

 著作権についての登録は、以下のものがおこなえます。

[登録制度一覧表]

登録の種類登録内容と効果
実名の登録
(法第75条)
無名又は変名で公表された著作者がその実名(本名)の登録を受ける。登録を受けた者が、当該著作物の著作者と推定される。
第一発行(公表)年月日等の登録
(法第76条)
著作者又は無名若しくは変名の著作物の発行者が、当該著作物が最初に発行され又は公表された年月日の登録を受ける。反証がない限り、登録されている日にその著作物が第一発行または第一公表されたものと推定される。
創作年月日の登録
(法第76条の2)
プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受ける。ただし、その著作物の創作後6か月を経過した場合は、登録を受けることはできない。反証がない限り、登録されている日に当該プログラムの著作物が創作されたものと推定される。
著作権・著作隣接権の移転等の登録
(法第77条)
登録権利者及び登録義務者が著作権若しくは著作隣接権の譲渡等の登録、又は著作権若しくは著作隣接権を目的とする質権の設定等の登録を受ける。権利の変動に関して、登録することにより第三者に対抗することができる。
出版権の設定等の登録
(法第88条)
登録権利者及び登録義務者が出版権の設定、移転等又は出版権を目的とする質権の設定等の登録を受ける。権利の変動に関して、登録することにより第三者に対抗することができる。

 
 著作権の登録制度の目的は、著作権を譲渡したり、利用許諾したりする場合などにおける、取引の安全の確保にあります。
 この制度を利用することによって、権利をより適正に保全し、また利用することができます。

 当法人では、このような場合の登録手続、また、それにまつわる著作権にかかわる書面作成等について、申請代理やアドバイス、サポートをさせていただいております。