著作権等管理事業登録

 著作権は、信託や著作権等管理事業によって、活用することも考えられます。

 著作権の「信託」とは、著作権を信託することによって、受託者に、一定の目的にしたがい、財産を管理・処分してもらう方法です。
 これにより、効率的な著作権の管理や資金調達を行うことが可能となります。

「著作権等管理事業」とは、上記のような信託や、利用許諾などといった著作権の管理を、「業」として行うことをいいます。この場合、文化庁に事業を登録することが必要となります。

信託と事業の定義

 登録にあたって、著作権等管理事業は、以下のように定義されます。

[管理委託契約]
 次に掲げる契約であって、受託者による著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(「著作物等」)の利用の許諾に際して委託者(委託者が当該著作物等に係る次に掲げる契約の受託者であるときは、当該契約の委託者)が使用料の額を決定することとされているもの以外のもの。

 ① 委託者が受託者に著作権又は著作隣接権(「著作権等」)を移転し、著作物等の利用の許諾その他の当該著作権等の管理を行わせることを目的とする信託契約
 ② 委託者が受託者に著作物等の利用の許諾の取次ぎ又は代理をさせ、併せて当該取次ぎ又は代理に伴う著作権等の管理を行わせることを目的とする委任契約

[著作権等管理事業]
 管理委託契約(委託者と受託者が人的関係、資本関係等において密接な関係を有するものを除く。)に基づき著作権等の管理を行う行為であって、業として行うもの。

登録の拒否事由

 登録には拒否要件があります。
 以下に該当する者は登録を受けることができません。

 1) 法人でない者、但し、次のような法人格にない団体は、本法においては法人とあつかう。(営利を目的とせず、代表者の定めがあり、構成員のみとの管理委託契約に基づく著作権等管理事業を行うことを目的とするのも)
 2) 他の著作権等管理事業者の名称と同じ又は紛らわしい名称を用いようとする法人
 3) 登録を取り消されて5年を経過していない法人
 4) 本法、著作権法に違反し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない法人
 5) 以下のいずれかに該当する役員がいる法人
  イ  成年被後見人又は被保佐人
  ロ  破産者で復権を得ない者
  ハ  登録を取り消された著作権等管理事業者の当時の役員であった者であって、その取消の日から5年を経過していない者
  二  禁錮以上の刑に処せられてから5年を経過していない者
  ホ  本法、著作権法、プログラム著作物登録特例法、暴力団取締法、刑法、暴力行為等処罰法の罪を犯し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない者
 6) 財産的基礎を有しない法人(債務超過又は支払不能の法人を想定)

登録の実施

 文化庁長官は、登録を拒否する場合を除いて、登録申請者の事業概要を著作権等管理事業者登録簿に登録しなければなりません。
 登録簿は縦覧に供されることになります。

 著作権等管理事業法は、ビジネスモデルとして著作権管理を誰でも行えるようにするために、2000年に成立しました。
 現在、著作権管理事業者として有名なものは音楽業界におけるJASRACなどですが、今後さまざまなビジネスモデルが検討されうる分野です。

 当法人では、登録をご希望される事業者さまの、事業者登録申請手続きや、それにまつわる諸問題について、アドバイスやサポートをさせていただいております。